釉薬は「ゆうやく」または「うわぐすり(上薬)」とも言い、やきものの専門用語です。釉薬とはやきものの表面にかかっているガラスのようなものです。釉薬を掛けて焼くことによって様々な色を出したり、水が漏らないようにしたり、汚れが付きにくくなったりします。一般にペンキのようなドロッとした液体です。
釉薬の歴史

釉薬にはいろいろな分類の仕方があります。例えば、使っている原料によって、灰釉、長石釉、石灰釉などと呼ぶことがあります。見た感じからつや消し釉、透明釉、結晶釉などともいいます。また、古くからの地名や人名、色の呼び名から天目釉、織部釉、青磁釉などやきもの独特の名前も多くあります。もっと詳しく

釉薬の原料は、長石、灰、粘土を主として3〜10種類位のものを混ぜて作ります。それぞれの原料を計ってボールミルに水といっしょに入れます。ボールミルには玉石という丸い玉が入っていてゴロゴロと数時間機械で回すことによって粉砕されます。出来あがったものを篩にかけ、残った粗い粒を取り除きます。ボールミルの小さい磁器製のものをポットミルといいます。また、少量(500g未満)を粉砕するときには乳鉢や擂潰機(自動乳鉢)を使用します。

a)調整
まず、液体の調整から入ります。掛ける素地に合うように釉薬の濃さを水で加減します。出来ればテストピースで実際にどれくらいの厚みになるか試すといいでしょう。比重計(ボーメ計)を使って濃さを計ることもよく行われます。次に掛ける方法を紹介します。

b)掛け方(施釉)
1.浸し掛け・・・釉薬に直接浸します。釉薬が多目に要りますが、一番均一に施釉できます。
2.流し掛け・・・ひしゃく等を使って掛けます。少量の釉薬ですみます。簡単な形状のものに適します。
3.吹き掛け・・・スプレーなどで吹き付けます。濃淡を調節できますが、飛散に注意が必要です。
4.塗り掛け・・・刷毛などで塗り付けます。濃さを調整したり、のりなどを使って慣れないとむらができやすい。
5.その他・・・粉のまま振り掛けたり、食塩釉、自然釉のように焼成時に操作します。釉薬を掛けたくない所には蝋を塗ります(蝋抜き)。

・釉薬は、素地、掛けかた(厚みなど)、焼きかたによって色はもちろん、熔けなかったり、逆に流れて棚板にくっついたりすることがあります。ぜひ、テストピースでの前試験をお勧めします。
・釉薬が口や鼻から入らないように必要に応じてマスクなどをお使い下さい。
有害性

・釉調合の基本 加藤悦三著 窯技社
・陶磁器釉の科学 高嶋廣夫著 内田老鶴圃
・実践陶磁器の科学 高嶋廣夫著 内田老鶴圃
・陶芸の釉薬 大西政太郎著 理工学社
・釉とその顔料 素木洋一著 技報堂出版
・入門やきものの科学 田賀井秀夫著 共立出版


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