原料の安全性について

窯業原料に限らず、すべての材料には必ず適正範囲があって、 その範囲を超えたときに人体への害として現れます。
例えば、塩でも砂糖でも適正範囲を超えれば毒となり血圧を上げたり、 糖尿病になったりします。
釉薬は通常液体で安全なものですが、釉薬が乾いて粉末状になっていたり、 スプレー掛けで直接鼻や口から体内に入る恐れのある時は特に注意が必要です。
また、花粉症などでもわかるように特定な材料に敏感な人もいますので注意してください。

次に特に問題となっている原料とその有害性を説明します。
・鉛・・・古くから知られた有害な材料ですが、特に低火度(1000度以下)の釉薬を造りやすいために 上絵具等に多く使われ問題となっています。血液特に造血臓器障害を起こし貧血になったり、 神経などに障害を起こします。やきものを造る時だけでなく、造った作品から鉛が溶け出す為、 食器などには使わない方が無難です。鉛白、鉛丹、有鉛フリット、珪酸鉛など。

・カドミウム・・・セレン−カドミウム赤という絵の具に使われています。 肺障害や肝臓障害を起こし、イタイイタイ病の原因物質でもあります。 低温で真っ赤な色を出すときには絵具のチェックが必要です。

・粉じん・・・やきもので使う珪石分を長期間吸い続けると肺機能の低下を起こし、 いわゆる珪肺症となります。マスクをお使い下さい。 珪石、粘土などの超微粉末(大きな粒子は痰となって体外に出されます。)
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