亜鉛結晶釉について

結晶釉とは釉薬の中に肉眼で見える大きな結晶が見られるものをいいます。 明らかに結晶らしく、もっとも大きな結晶を出すことが出来ると言われているものが 亜鉛結晶釉です。名前の通り、酸化亜鉛(亜鉛華)が多く含まれます。 基本となる調合例として
長  石 50%
石灰石 10%
亜鉛華 25%
珪  石 15%
この亜鉛華25%というのが、その他の釉薬に比べて圧倒的に多い調合です。 釉薬が熔けてから冷却時に過剰な亜鉛が結晶となってウイレマイト(2ZnO・SiO2)という 大きく美しい結晶を晶出させます。 とはいうものの実際に大きな結晶を造ろうとしてやってみるといろいろな難しい問題にぶつかります。 第一に大きな結晶を造るためには流れやすい調合になること。つまり流れて棚板などにくっつきやすい。
第二に粘土分の少ない釉薬になり、沈殿しやすいこと。
第三にどこにどれくらいの大きさの結晶を造るのかコントロールが難しいこと。
などです。
基礎釉に金属酸化物を加えるとより鮮やかな結晶釉となりますが、特に酸化ニッケルを添加した場合、 結晶部分は青色、ガラス質部分は茶色となりコントラストの面白い釉薬となります。
それから結晶を大きくするために焼成方法に工夫をするのがふつうです。それは釉薬が充分に熔ける 温度で熔かしてから、さらに100−200度低い温度で1-3時間保持して結晶の発達を促すことです。
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